近年、注目を浴びている「アウトソーシング」ですが、種類も多くそれぞれに特徴があり向いている業務内容も様々。
その中でも、人材派遣と業務委託にフォーカスを当ててご紹介していきます。
[人材派遣とは]
業務を実施した時間に対して報酬が支払われる形態を指します。
派遣された社員は派遣元会社と雇用契約を結びながら、派遣先企業で業務を行います。
人材派遣を利用する企業の目的は「人材が不足している業務への人員確保」が主です。
[業務委託とは]
業務委託とは、成果物の納品や業務の実施に対して報酬が支払われる形態を指し、次の2種類があります。
・成果物の提出に対して報酬が発生する請負契約
・業務の実施に対して報酬が発生する委任/準委任契約
業務委託を利用する企業の目的は「依頼した業務の納品」が主です。
[人材派遣と業務委託の違い]
大きく異なる点としては「何に対して報酬が発生するか」という点です。
業務委託では、成果物の納品や業務の実施に対して報酬が発生するのに対して、
派遣では業務を実施した時間に対して報酬が発生するという違いがあります。
また、指揮命令系統にも違いがあります。
派遣社員への指揮命令は派遣先が行うことに対し、
業務委託は受託企業が指揮命令・管理を行うので委託元企業は業務に関する指示ができなくなります。
なお、委託会社が受託会社の従業員へ直接指示を出すことは「偽造請負」とみなされるため、注意が必要です。
[それぞれのメリットとデメリット]
*人材派遣
◎メリット
繁忙期に一時的に人手を増やしたり、突発的な業務増加がある期間にかぎり、人員を増やすことができます。
また、自社の従業員ではカバーしきれない、専門知識がある人材を派遣してもらえることもメリットでしょう。
また、人材派遣会社が人材育成に注力している場合が多いので、依頼をしてから活躍してもらえるまでの期間が非常に短く「即戦力」となります。
◎デメリット
人材派遣は、契約によって6ヶ月〜3年の期限付きの雇用となります。例外となる派遣労働者を除き有期雇用での継続就業が出来ませんので、長期で望むプロジェクトに参加してもらうことは難しいでしょう。
そして、スキルを持つ派遣スタッフでも会社事の決まり事や業務の方法はわかりませんので、一定期間の育成・指導期間は必要ですので、それにあたるコストが発生します。
*業務委託
◎メリット
*自社の業務負荷が減少
業務指示、教育やフォローなどはすべて受託企業が行いますので、委託元企業は業務負荷が減少することになり、コア業務に専念することができます。
また、技術力やノウハウを持った企業に業務を委託することで、業務が整理され「標準化」されることに繋がり、社内での人材育成コストを抑えながら運用品質を維持することができるようになります。
◎デメリット
*さまざまなコストが増える
人材派遣と比べると専門性の高さや、管理費がかかることから、運用費が高くつく可能性が高いです。イレギュラー対応などには別途費用がかかる場合もありますので、注意が必要です。
また、金額的なコストだけでなく、業務を受け渡すまでの立ち上げ期間が発生しますので、一時的に業務コストや時間のコストがかかります。
[まとめ]
人材派遣と業務委託、それぞれアウトソーシングの種類ではありますが、性質はもちろん、メリット・デメリットも全く異なります。
アウトソーシングしたい業務や自社の性質に合わせて、適したアウトソーシングの種類を利用することで、業務の効率化やコア業務への効率的な取り組みを目指せるでしょう。