年末になると提出が必要になる書類…つい後回しにしがちな方もいらっしゃるかもしれません。
一緒にやってみましょう!
【年末調整と保険料控除!生命保険料控除申告書の書き方解説】
年末調整の保険料控除は、会社員や公務員等の給与所得者にとって、大切な手続きの一つです。年末調整時にきちんと保険料の控除申請をすれば、還付金の受け取りや後々徴収される税金の減額に繋がることも。
年末調整で保険料控除を申請するには、保険料控除の種類や書類の手続き方法等の正しい知識を身につけることが大切です。保険料控除の対象となる4つの保険のうち、今回は生命保険料控除について解説していきます。
[年末調整とは]
給与1年分の総額に基づいて決定された所得税では、暫定的に引かれていた金額と、実際に払うべき金額とでは差が生じる場合があります。
この差が発生したかを確認し、追加で税金を納付したり、還付してもらったりと調整する仕組みが年末調整です。
[年末調整と生命保険控除]
年末調整において申告しないと非常にもったいないのが、各種保険料です。生命保険料控除は、その年に支払った生命保険料に応じて、
一定の金額がその年の所得から差し引かれる制度で、年末調整の対象になる各種保険料は、その年の1月1日から12月31日までに支払ったものです。
生命保険の契約は、2011年12月31日以前の契約(旧制度)と2012年1月1日以降の契約(新制度)に分かれ、それぞれ対象となる保険や控除額の上限が異なりますので、
まずは、ご自身が契約する契約の制度が新旧どちらに該当するかチェックしましょう。
[生命保険料控除申告書の書き方]
① 保険会社名を控除証明書から転記します。(保険会社名は略称でも可)
② 保険の種類を控除証明書から転記します。 例)終身、定期、がん、医療
③ 保険期間や年金の支払期間を控除証明書から転記します。 例)終身、10年、20年
④ 契約者の名前を控除証明書から転記します。
自分以外の家族が契約者でも、自分が保険料を支払っている契約があれば、ここに記載できます。(その場合は、自分の名前ではなく該当契約の契約者の名前を記入)
⑤ 保険金の受取人を記入します。
控除証明書に記載のないことが多いですが、保険証券などに記載されている内容を転記します。(関連ページ:生命保険の受取人)
なお、生命保険料控除は、保険金などの受取人が本人か配偶者そのほかの親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)の契約が対象です。
⑥ ⑤との続柄を記入します。
⑦ 控除証明書の適用制度の欄の「新制度」・「旧制度」という記載に沿って、いずれかに◯をします。
⑧ 控除証明書から「申告額」を転記します。
「申告額」のほかに「予定支払額」や「予定申告額」と書かれている場合もあります。その年の1月1日から12月31日までに支払う保険料の合計を記入しましょう。
「証明額」は1月1日から保険会社が控除証明書を発行するときまでに確認できた保険料の額になります。月払いの場合は「証明額」を記入すると本来申告できる金額より
少なく申告してしまうことにもなりますので、注意しましょう。年払いの場合は「証明額」の欄にしか記載がない場合もあります。
⑨ ⑧のうち、新保険料の合計額を記入します。
⑩ ⑧のうち、旧保険料の合計額を記入します。
⑪ ⑨の金額を計算式Iに当てはめて計算し記入します。算出した金額に1円未満の端数があるときは、端数を切り上げます。
⑫ ⑩の金額を計算式IIに当てはめて計算し記入します。⑪同様、端数は切り上げます。
⑬ ⑪と⑫の合計額を記入します。(40,000円を超える場合は、40,000円と記入)
⑭ ⑫と⑬のいずれか大きい金額を記入します。
⑮⑯ 「一般の生命保険料控除」(①~⑭)と同じように記入します。なお、「介護医療保険料」には新・旧の区分がありません。
⑰ ⑭⑮⑯の合計額を記入します。(合計の限度額は120,000円なので、120,000円を超える場合は、120,000円と記入)
新保険料は80,001円以上の控除額が一律40,000円、旧保険料は100,001円以上の控除額が一律50,000円となっています。
生命保険料控除には限度額があり、限度額を超える契約を申告書に記載しても控除額は変わりません。
生命保険料控除申告書を書くときに使用した「生命保険料控除証明書」は、申告書に添付(または電子的控除証明書の電子データを送信)して勤務先に提出する必要がありますので、提出まで必ず保管しましょう。
[まとめ]
月々支払っている民間の保険料などを年末調整で申告することで、税金の負担を軽くすることができます。
年に一度の申請ですので、難しく捉えすぎてしまう年末調整ですが、保険料控除証明書を書き写すのが主な作業ですので、
手続きは必ず行い、スムーズな手続きのためにも正しい知識を持っておくことが大切でしょう。