「学歴も職歴も申し分ないのに、なぜか伸び悩む」 「“優秀そう”な印象だったのに、現場で空回りしている」
—こんな採用ミスマッチに、心当たりはありませんか?
実は、本当に活躍する人材には「表には見えにくい共通点」があることが、専門家による人材定着分析や組織開発の現場で明らかになりつつあります。
本記事では、2025年以降の採用トレンドに基づき、企業が今注目すべき「見極めポイント」とは何かを、実務視点で分かりやすく解説します。
活躍する人に共通するのは、「感情知性」と「関係構築力」
採用現場で誤解されがちなのが、「能力が高ければ活躍する」という思い込みです。
近年の組織心理やチーム運営に関する研究では、「職場で成果を出し続ける人」の特徴として、以下のような『非認知スキル(感情・対人能力)』が重要とされています。
・自己認識力:自分の感情や行動の傾向を客観的に捉え、理解できる
・共感力:相手の立場に立ち、多様な意見や考え方を理解しようとする姿勢
・関係構築力:一方的な主張ではなく、相互理解を重視し、円滑な人間関係を築ける
これらの力は、履歴書やスペックには表れにくいものですが、チームの中で信頼を築きながら成果を出すための土台となります。
優秀な人材は、「何をどれだけ知っているか」よりも「どのように周囲と関わり、協働できるか」で差が出るという見方が、企業側にも広まり始めています。
2025年は“学び直せる人材”が評価される時代へ
急速に変化するビジネス環境において、AIやDXの進展により「今持っているスキル」よりも「新しい状況に柔軟に適応し、学び続けられる力」が重視されるようになっています。
近年特に注目されているのが、「成長志向」と「心理的安全性」です。
これらを踏まえると、採用においては「過去の成功経験」だけでなく、「どのように困難を乗り越えてきたか」「そこから何を学び、どう成長したか」に注目する視点が必要です。
面接で見抜くために大切な“問いかけの質”
本質的な力を持つ人材を見抜くには、単なる経歴確認にとどまらない、「候補者の内面を引き出す問いかけ」が鍵になります。
例えば、以下のような質問を活用すると、候補者の価値観や適応力が自然に現れやすくなります。
「最近、どんなことに挑戦しましたか? その結果、どうなりましたか?」
→学習意欲と行動力、そして結果に対する向き合い方を把握
「これまでの仕事で一番うまくいかなかったことは何ですか? それをどう乗り越えましたか?」
→課題対応力と自己認識、そして困難からの学びを深掘り
「周囲と意見が違ったとき、どのように行動しますか? 最終的にどうなりましたか?」
→関係構築力とコミュニケーションスタイル、そして対立解決へのアプローチを理解
こうした質問は、“能力”よりも“人柄”と“仕事へのスタンス”にフォーカスすることで、入社後の活躍をより正確に予測できるようになります。
まとめ
これからの時代に必要なのは、「今のスキル」だけでなく「変化し続ける力」を持つ人材です。
面接や採用のプロセスにおいても、学歴や職歴といった外見的なスペックだけでなく、「人として信頼できるか」「一緒に働きたいと思えるか」という視点が非常に重要になります。
“本当に活躍する人”を見抜く目線があれば、組織の未来は確実に変わるでしょう。
まずは、日々の問いかけの質から見直してみてはいかがでしょうか。