「入社してから“こんなはずじゃなかった”と思ってしまう…」
「いい人を採用したつもりが、早期離職につながってしまった…」
採用と転職、どちらにとってもミスマッチは避けたい結果ですよね。
その多くは、スキルや条件の問題ではなく、価値観、期待、働き方への認識のズレから生まれています。
この記事では、企業と転職者の双方が納得のいく選択をするための「リアルなすり合わせ方」と「後悔しない判断軸」を、実践的な視点でお伝えします。
ミスマッチの正体は、“言語化されない思い込み”
転職活動や採用面接では、つい「条件」や「スキル」に意識が向きがちです。
しかし、実際に働き始めてから大きな差となって現れるのは、以下のような“働く上での価値観”や“前提のズレ”です。
・どんな働き方をよしとするのか(スピード重視か、丁寧さ重視か)
・どんな人間関係やチーム文化が心地よいか
・上司や同僚との距離感、報連相のスタイル
企業側も転職者側も、「自分にとって当たり前」な部分を省略してしまいがちです。
そこに気づかずに話が進むと、入社後に「話が違った」「合わなかった」となりやすいのです。
企業と転職者がそれぞれにできる、3つの“ミスマッチ予防策”
✅企業ができること
①職場の雰囲気・文化を具体的に伝える
「裁量が大きいです」といった曖昧な表現ではなく、「新人でも〇〇の決定権があります」のように、具体例を挙げて伝えると良いでしょう。
②選考中に双方向の対話を重視する
候補者の“志向性”や“これまでの価値観”を深く引き出すような面談の場を設けましょう。
③リアルを包み隠さずに伝える覚悟を持つ
理想だけでなく、仕事の課題や難しさも共有することで、それらを含めた共感からの応募につながります。
✅転職者ができること
①「自分が大切にしたいこと」を整理する
給与、やりがい、一緒に働く人、裁量、ワークライフバランスなど、自分にとっての優先順位を明確にしましょう。
②面接で遠慮せずに質問する
例:「チームで成果が出るとき、具体的にどのようなやりとりが行われていますか?」
といった、より踏み込んだ質問で、具体的な状況をイメージします。
③“合わないかも”という感覚を無視しない
違和感は直感ではなく、“自分の軸”が反応している大切なサインです。その感覚を軽視しないようにしましょう。
面接は“相性診断の場”にする意識が大切
面接は、評価や合否を決める場であると同時に、「お互いの価値観やスタンスが合うかを確かめる対話の場」でもあります。
・企業側は、「この人と一緒に働きたいか?」
・転職者側は、「この職場で自分らしく力を発揮できそうか?」
——この問いに正直に向き合える面接こそ、ミスマッチを減らす鍵となります。
選考フローの中で、「雑談のような対話の時間」や「現場社員との交流」などを取り入れることで、より自然な相互理解が生まれるでしょう。
まとめ|お互いの“幸せな選択”のためにできること
採用も転職も、最終的な目的は「一緒に働く人たちが、前向きに力を発揮できる環境をつくること」です。
だからこそ、「条件が合っていればOK」という時代は終わりました。
企業も転職者も、「合いそうか?」「何が心地よく、何がしんどそうか?」を率直に話し合い、選択できる関係であることが、“後悔しないキャリア”や“強い組織”につながっていきます。
ご自身の状況と照らし合わせてみて、いかがでしたでしょうか?